沢知恵／こころ

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商品説明

1998年の作品。
沢知恵は、1971年生まれのシンガー・ソングライターです。
ときに繊細で、ときにダイナミックな自らのピアノ・タッチで、瑞々しいボーカルを聴かせてくれるアーチストです。
彼女の父親は、日本キリスト教団の宣教師として、戦後初めて韓国に留学した日本人の沢正彦。韓国人の母親も宣教師でした。
そして母親の祖父は、韓国人の詩人、金素雲。
彼女自身は韓国人の血が半分入っており、幼少期にソウルに住んでいたこともあったのですが、日本で生まれた＂日本人＂です。
ただ、創作面では、祖父の金素雲の影響が大きいような気がします。
というのも、金素雲の父親は1909年に、日本に実質統治（正式な韓国併合は1910年）されていた韓国において役人の職にあり、それが故に親日派と看做されて、韓国人同胞の銃弾に倒れてしまい、当時まだ1歳だった金素雲を巡る葛藤が親族間で発生します。
その結果、彼は父方の祖父母に引き取られ、失意の母親は、彼が4歳のときに帝政ロシアに去っていくという複雑な境遇に巻き込まれたのでした。
その後の彼は、8歳にしてロシアに渡ろうとして挫折したり、韓国における反日運動に参加しつつ、日本に渡り、韓国文学の素晴らしさを北原白秋らを通じて伝えようとしたり、太平洋戦争の戦局の深刻化により、妻との心情との間に民族的ギャップを感じ離婚をしたり、自分のルーツを色々な形で反映しながら、安らぎや愛情を求めて自由な活動をした人生が歩みました。
それは、同じようなルーツを抱えながら、米国留学でゴスペルの影響を受けるなど、日本各地から世界中まで、日々変化する人生を受け入れる彼女の姿勢に通じるものがあります。
ちなみに今作には、彼女の手によるライナーノーツが記載されており、アルバム・タイトル曲は、その祖父の金素雲の詩を日本語に訳して歌われたものになっています。
ピアノ弾き語りのシンプルなスタイルに、フルートやアコーディオンという必要最低限の楽器が添えられ、さらにアコーディオンは、日本を代表するcobaと、1960年代から活躍する米国を代表する偉大なフランク・モロッコ（Frank Marocco）が参加しているのも、聴き比べの楽しみがあります。

ライナーノーツと歌詞が記載されているジャケット・帯は揃っています。
美品です。

4年以上前

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