ハードカバー 「疫病神」

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「疫病神」

黒川博行

黒川博行「疫病神」あらすじと感想
「報酬は2百万」
「えっ!!」
なんせ、この4、5年の年収が4百万という、うら寂しい身だ。
小畠の言葉に、思わず背筋が伸びた。
小畠は、富南の天瀬という所に、建設廃材の最終処分場を作る計画をしているが、処分場の申請をする段階になって、天瀬の水利組合から補償金の要求をされて困っているという。
ついては同意書に組合長の印鑑をもらってきてくれと、建築コンサルタントの二宮に依頼してきたのだ。
二宮は了承してその組合長、橋本を調べ始めたのだが、この橋本という男、一筋縄ではいかん男だった。
橋本に印鑑をもらうのに裏金が必要ということで、報酬は5百万、経費は一日5万というところまで跳ね上がった。

が、そこに、金の匂いをかぎつけたら梃子でも離さんという、イケイケで有名なさる筋のかた、桑原が絡んできたので、ただでさえややこしい話が更にややこしくなっていく。

「そうか、5百万か、おまえ、金の卵やったんや」二宮の話を聞いて、疫病神、桑原は唇を舐めた。
「疫病神」
ところが、小畠が50センチもの厚みになる書類を整え、既に一億5千万もつぎ込んだ、日銭百万にはなるというこの計画、小畠は口をつぐんでいるが、総事業費120億の、近畿一円の建設廃材を受け入れる、20年は優に稼働できる民間最大の処分場になるというビッグプロジェクトが背後に隠れているらしい。そして、小畠はさるところに3億を要求していたのだった。
もしかしたら5億でも要求できるかもしれないことを小畠は隠していて、二宮は体よく踊らされるはめになっていくが、この産廃ビジネスの周りで、ゼネコン、議員、極道とそのフロントの土建屋、不動産屋、地上げ屋、コンサルタントなどが暗躍を繰り広げる。
どの都市でも、産廃の最終処分場の確保は大きな悩みであり、山中に適地があったとしても、所有権、水利権、水路改修、堰堤工事、アクセス、環境問題と、解決すべきことは山のごとくある。
その過程でカネの絡む様々な調整ごとが発生し、本書では、行政書士まで50万か、おそらくは百万くらいは行きかう裏金のなかから抜いている。
その利権の山に二宮は翻弄され、アブナイ筋に4回も拉致されてそのたびにボコボコにされ、半死半生の目にあったりするが、「じゃかましぃ

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商品情報

カテゴリ エンタメ/ホビー

文学/小説
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