『 父の時代・私の時代 わがエディトリアルデザイン史 』堀内誠一

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エディトリアル・デザインの仕事は、技巧の前に「表現しようとする人たちの心からの友人」であることが必要だ。戦前から1970年代まで、雑誌から絵本までを生き生きと語る圧倒的名著。堀内が商業美術にとりくむのは、日大第一商業高等学校を中退して1947年4月15歳で伊勢丹宣伝部に入ってからである。ここで堀内は「エスクァイア」の新進デザイナーだったポール・ランドを知り、三岸節子の表現力に出会い、岩波写真文庫やコリン・ウィルソンの『アウトサイダー』に憧れていく。実際に堀内を鍛えたのは連日連夜の百貨店催事の準備だった。体育学校にいた左幸子や新宿のバーにいた芳村真理や宝塚の松田和子をひっぱりだした水着ショーは、伊勢丹に始まった日本で最初のファッション・イベントだったし、堀内を雑学に溺れさせることになった「百貨展」も伊勢丹の名物イベントになった。本書を読むと堀内がどんなイベントにも熱心で、「シャボン展」「郷土玩具展」「発明展」「染織展」「原子力展」などの、未知のイベントのたびに成長していったのがよくわかる。堀内の表現感覚を飛躍させたのは、伊勢丹のイメージ・アーティストであった高沢圭一と、アメリカ帰りの富田英三だったようだ。ぼくも強烈な印象で眺めていたが、とくに富田英三のドローイング・センスは堀内を感化していったと見える。やがて伊勢丹は季刊誌「ブーケ」を創刊し、堀内もその手伝いをする。秋山青磁、秋山庄太郎、植松國臣に出会うのはこのころだ。この体験が生きて、アルス社の「カメラクラブ」の玉田顕一郎が堀内に目をつける。ついで千代田光学(ミノルタ)がPR誌「ロッコール」の編集長に玉田を迎えると、堀内はそのデザインを担当するようになった。初めてのエディトリアルデザインである。ここに集まったのが若手の石元泰博・中村正也・佐藤明・東松照明・奈良原一高たちであり、批評家の重森弘淹だった。のちに川田喜久治、常盤とよ子も加わっていく。堀内がメディア業界から一躍脚光を浴びるのは、1969年に平凡出版の「アンアン」のアートディレクターを引き受けてからである。「平凡パンチ女性版」というのが「アンアン」の準備号だったのだが、タイトルといい、写真といい、デザインといい、採用された秋川リサらの瘦身のモデルといい、「アンアン」が日本を変えたパワーは測定しがたいほど大きなものだった。205頁 マガジンハウス

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カテゴリ エンタメ/ホビー

人文/社会
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