リアナ／ゲット・オン

2003年の作品。
リアナは、1983年生まれ、英国リーズ出身のR&Bシンガーです。
（バルバドス出身の米国のシンガー、リアーナ＂Rihanna＂ではありません。念のため）
彼女のシンガーとしてのキャリアは、同じ英国のシンガー、LSKのバッキング・ボーカルから始まりました。
というのも、LSKは彼女の兄であり、ソウルやクラブ・ミュージックのみならず、パンク・ロックやレゲエなどの影響を受けた所謂＂UKソウル＂を志向しており、血縁のみならず、音楽的にも近い存在だったのです。
今作は彼女のデビュー・アルバムで、シングル・カットされた『オー・ベイビー』は全英チャート18位となるヒットとなりました。
この『オー・ベイビー』からも伺えるのですが、フィル・スペクターを思わせるような、分厚く包み込むようなサウンドと、ミニー・リパートンを思わせる少し線が細いながらも可憐で甘い彼女のボーカルの組み合わせは、2003年当時の最新の音楽シーン、あるいは今聴き直してみても、永遠のノスタルジック・ソウルというか、非常にエヴァーグリーンな魅力を感じさせます。
『ワード・ラヴ』では、低く弾むようなピアノと、サイケデリック・サウンドを思わせるギターが絡み、かつてのニュー・ソウル的雰囲気があり、さらに『アイ・ラヴ・エヴリ・リトル・シング・アバウト・ユー』はスティーヴィー・ワンダーのカバーであり、『ダム』の導入部ではバリー・ホワイトの『I'm Gonna Love You Just a Little Bit More Babe』の引用が見られます。
現在はバッキング・ボーカル・ミュージシャンとして活動している彼女のソロ・アルバムは、残念ながら今のところ、今作のみですが、現在の音楽シーンにもつながる、早過ぎたポップさの香りがする佳作です。

日本盤なので、英詞・対訳・ライナーノーツ・帯、すべて揃っています。
美品です。