リキッド・スキン ゴメス

リキッド・スキン
ゴメス
デビュー・アルバムが英国ミュージック・アワードを席捲した５人組のセカンド。
　手持ちは1999年に東芝から出た日本盤で、全12曲。８曲目という中途半端な位置に「チキン・ボーンズ」というボーナス・トラックを追加して、オリジナル・アルバムの流れをブチ壊している。しかし、このナンバーが囁くようなヴォーカル、複数の管楽器も入る哀愁漂うチカーノ風で、凄く良い！
　イギリスらしいひねくれた展開に徹しているが、９「リズム＆ブルース・アリバイ」とか、11のタイトルもずばり「カリフォルニア」とか、妙にアメリカっぽいおおらかさ、良い意味での荒々しさ、秘めた豪快さなどを内包し、本当にヘンテコな連中。ジャケのセンスに現れているよなあ。
　イントロの妙なざわめきからいきなり始まる１「ハングオーバー」（映画と無関係だと思う）からして、変わっている。ポイ・ドッグ・ポンダリングを英国風にクールにした音とでも言おうか、『NME』誌が絶賛しているが、決してプロ好みと限定される音とも言い難い。
　６の後半に入って来る、ゆったりとしたヘヴィーなギター、ストリングスなんか、マジ、良いです。７曲目後半の混沌は、まるでグランジの進化型みたいだし。
　現時点で、日本盤出ていないんですか？　ビジネス抜きで、これは出すべきでしょう。