Figure 8 エリオット・スミス

Figure 8
エリオット・スミス
メジャー移籍2枚目の本作は、前作XOよりもバンドサウンド色の強い楽曲構成が目立ちます。

オーバードライブからディストーションぐらい歪んだギターが見事なリフを弾きつつ、地に足をつけた明確なドラマがドシドシと歩んでいったと思ったら、アコギとボーカルだけの静かな旋律も流れてくる、彼の天才ぶりがよくわかる一枚に仕上がっています。

ただ常に驚かされるのは歌唱力と声。
バンドサウンドが強調されても、彼の歌声の良さは絶対に埋もれません。一人のシンガーがそこにいて歌っているかのような声の近さを感じられるでしょう。

XOのバンドサウンドからより高いところへ昇華された本作は何年経っても色褪せることはないでしょう。歴史に残る名盤です。