あるところに 貧しい石売りの家庭がありました

その小さな家には2人の子どもがいて

兄はチルチル 妹はミチルという名前です。

クリスマス前のとある夜のことです……

彼らのもとに 魔法使いの老婆が寒さに

身を震わせながらおごそかに訪ねてきました。

チルチルとミチルは突然のお客さまに「どうしたのです？」と聞いてみました。

すると、
「私の孫が病気で苦しんでいる……病気を治すために『幸せをもたらす青い宝石』を見つけてきてほしい」と言いました。

気の毒に思った 心優しい子ども達は

魔法使いから一つの頼まれごとを引受けたのでした。

勿論見返りを求めたりはしません……

現代社会の擦れた子ども達とは

心のクラリティ（透明度）が違うのです……

ツルハシを持って出かけたチルチルとミチル

GIAの妖精に導かれながら、さまざまな場所を訪れます

最初に行ったのは「思い出の国」でした。

2人はここで、亡くなったはずのおじいさんとおばあさんに出会いました。

青い宝石がこの国にあることを教えて貰い

チルチルとミチルは遂に手に入れることに成功します。

しかしその青い宝石は「思い出の国」を出た途端に

なんと青いガラス（模造石）へと変わってしまいました。

チルチルとミチルは肩を落としながらも

戦争と病気があふれる「夜の御殿」を訪れます。

ここでも青い宝石を手に入れたものの、

「夜の御殿」を出たとたんに割れ目(クラック)から

内包物（インクルージョン）にかけて

ヒビ(へき開）が入り粉々に砕けてしまいました。

その後も、「贅沢の御殿」（一等の宝飾店）

「未来の国」（合成宝石ラボ）等へ行きますが、

どうやっても本物の青い宝石を持ち帰ることができません。

そんな時……

「起きなさい。今日はクリスマスですよ」

お母さんの声が聞こえ、2人はベッドの上で目を覚ましました。

とうとう青い宝石を手にすることが出来なかった……

そう二人ががっかりしていると

ふと、気がつきます。

お互いの視線の先に輝く宝石のような青い瞳に…

そしてチルチルとミチルは、本当の幸せは手の届く身近な場所にあるのだということに気づいたのです。

〜ぼくらの瞳に乾杯☆〜

1万円で買える宝石店では

一から十まですべて独りで店主がこなしています