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海亀に乗った闘牛師（集英社）／青野聰

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2007年2月10 第1刷発行。

「牛は生まれるの『う』と死ぬの『し』で、上の『う』と下の『し』よ、浮かぶの『う』と沈むの『し』だし、それに疑うの『う』と信ずるの『し』でもある。天と地をつなぐ動物の代表です。日本語はすごいね、そう思うでしょう」
（本書140ページより）

還暦を間近にした男、伍代日呂太はパートナーの謡子、娘の果衣、息子の正太らとは別居しながらも連絡を取り合う仲。
かつて親が遺してくれた幾ばくかの金で始めた運送屋を手始めに転々とした仕事は、友人にも恵まれ順調、そこにオーストラリアに住む友人、高島から当地の旅行の誘いを受ける。
仕事を一切合切任せ、家族からはお土産を頼まれて旅立つも、旅路の途中のベトナムで足止めを喰らい、そこで出会った青年、幸吉とともにペナンに向かう旅へと変更する。
目指すは、ジャングルの奥地。
足元を取られながら辿り着いた村で、日本人で族長の血を引く村のリーダー、「アーサ」と出会い、その村にしばらく滞在することとなる。
ハプニング続出の旅の途中の伍代に与えられた役目は、闘牛師。
牛と牛とが角を突き合わせ戦う場に立ち合う役目で、新たに「ユンタ・ビワジ」の呼称を授かった伍代は、「アーサ」の機知に富んだ言葉のなかの会話に身を任せ、生と死がコントラストを成すなかで、人生の新しい「旅」を見い出す。

青野聰は、1943年7月27日生まれ、東京都出身の小説家です。
1966年に早稲田大学第一文学部中退後、ヨーロッパや北アフリカ諸国を放浪した後に、1971年『早稲田文学』誌上で作家デビュー、『母と子の契約』が1979年の第80回芥川龍之介賞の候補となり、『愚者の夜』で同年7月発表の第81回芥川賞を受賞しました。
今作は今のところ、著者の＂最後の小説＂となっています。

美品です。

3ヶ月前

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商品情報

カテゴリ	エンタメ/ホビー › 本 › 文学/小説
サイズ	なし
商品の状態	目立った傷や汚れなし
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